トップからの挨拶

JFEスチール株式会社
代表取締役社長 北野 嘉久 氏

QC サークル活動 60 周年おめでとうございます。

QC サークル活動でもっとも使われる特性要因図は、QC サークルの祖、石川馨先生が 1953 年に弊社の前身である川崎製鉄葺合工場にて、技術者から出た「問題に対して原因が多すぎて整理できない」という声に応えて初めて使われたもので、弊社は特性要因図発生の地であり、この瞬間が弊社での QC サークル活動のスタートともいえると考えております。現在弊社では、約 1,400 のグループが QCサークル活動(社内では J1 活動と呼ぶ)を行い、年 2 の全社大会にて成果を競い合っています。最近では 20 代の若手や、女性の活躍も目立ち始めており、まさにダイバーシティーの浸透にも大いに役立っております。この活動がより活性化され、働き甲斐のある職場とよりよい社会の創生に一層貢献していくことを期待しています。

トヨタ自動車株式会社
Executive Fellow 河合 満 氏

私は入社 58 年目で、QC サークル活動は 2 年先輩になります。弊社での QC サークル活動は不良撲滅運動としてスタートしました。

私自身、QC サークル全国大会で発表でき、学んだことを紙にまとめ上司に渡したところ、当時役員の豊田章一郎さん(現在名誉会長)の目にも届き、サインつきで努力を認めてくれたコメントをいただきました。以降、私を育ててくれた QC サークル活動には感謝の気持ちを持って最大限の情熱を注いでいます。QC サークル活動は、メンバー全員が自由に本音を言える場であり、話し合いを通じて多角的にとらえ、自立的に考え、現地でモノを見て、問題を解決する人材育成に最適な活動です。今後も QC サークル活動を通じて、活発なコミュニケーション、チームワークの向上、リーダー育成に繋がる取組みを期待します。

株式会社安川電機
代表取締役会長兼社長 小笠原 浩 氏

『QC サークル』誌の創刊 60 周年をおめでとうございます。

これまで携われた多くの皆様方に敬意を表しあらためてお祝い申し上げます。顧みますと当社の QC サークル活動のきっかけは、オイルショック後の厳しい経営状況下での再建計画でした。1977 年に原価低減(VE)、作業改善(IE)、品質管理(QC)を連携させた『VIQ活動』をスタートし、活動の活発化と士気高まりの中で、創業の精神と経営理念を明文化した『社憲』の制定にいたります。その第 1 項はまさに品質重視の考えです。その後、デミング賞受賞(1984 年)に繋がっております。現在、当社は QC ストーリーを作法とし、データを世界共通語として仕事を進めるよう周知しております。VUCAの時代、データに基づき QC ストーリーで語ることの重要性やリモートワークでの連携の機会として QC サークル活動を活用する等その有効性を再認識できると考えます。指南書としての『QC サークル』誌の役割にも大いに期待し、周年への寄稿とさせていただきます。

航空自衛隊
航空幕僚長 空将 井筒 俊司 氏

『QC サークル』誌が創刊 60 周年を迎えられたことを心よりお祝い申し上げます。

1982 年に千歳基地において始まった航空自衛隊の QC サークル活動も、その後各基地に拡がり、現在では我々の品質改善文化を発展させていくうえで必要不可欠なものとなりました。一方で、航空自衛隊がいざという時に力を発揮できる組織であり続けるためには、装備品の品質管理にとどまらず、「人づくり」がとても緊要です。その実現のために重要な役割を持つ QC サークル活動に、隊員たちが意欲的に取り組み、能力を進展させてくれることを期待して止みません。最後に、航空自衛隊に対するこれまでのご支援に感謝を申し上げるとともに、今後の QC サークル活動の更なる発展をお祈り申し上げます。

日本福祉施設士会
顧問 髙橋 紘 氏

QC サークル活動 60 周年おめでとうございます。

「福祉施設士」は施設運営の資質向上をはかるため 1976 年に発足した社会福祉施設長資格です。日本福祉施設士会は 1989 年,貴連盟の QC サークル指導講師をお招きし、講習会を開催し、以後活動方針の柱に「「福祉 QC」活動の普及・促進」を挙げています。「福祉QC」全国推進委員会により 1990 年から「福祉 QC」全国発表大会を開催。その後、基礎講座、推進者専門講座等を随時開催し、1996 年以降は「福祉 QC 入門講座」を毎年開催しています。2005 年、貴連盟のご協力をいただきスタートした「QC サークル個別指導講座」は受講サークルのある施設を会場とし、担当 QC 指導講師による年 10回の継続した指導会です。1 都 3 県 9 会場で実施していますが、東京都福祉施設士会会長として、私がその取りまとめをさせていただいております。今後もご支援よろしくお願いします。

楽天グループ株式会社
代表取締役会長兼社長
三木谷 浩史 氏

創刊 60 周年、心よりお祝い申し上げます。

楽天では、品質に重きを置く経営を一層推進すべく、社員が中心となって改善活動に取り組む QC サークルを 2016 年から開始し、これまでにグループ社員のおよそ半数が参加し、現在この活動の加速を進めております。社会に新しい価値を創出するサービスを提供していくためには、イノベーションと同時にオペレーションが重要となってきます。それを高めるためには、QC サークルの実施が欠かせないと考えております。昨年取り組んだ新型コロナワクチンの大規模、職域接種の運営においても、QC サークルを導入しました。スタッフ全員が日々改善活動に取り組むことで、安全を最優先にしながら所要時間を可能な限り短縮し、計 90 万回近いワクチン接種機会を提供することができました。QC サークルは、企業を良くするだけではなく、社会を良くするためにも大きな力を発揮します。より多くのシーンで QC サークルが活用され、拡がっていくことを願っています。