『QCサークル』誌活用法 2024年度『QCサークル』誌活用・普及貢献賞受賞組織 ㈱神戸製鋼所 加古川製鉄所
2024年度『QCサークル』誌活用・普及貢献賞受賞組織に、本誌の活用法を伺います。
出典:『QCサークル』誌2025年7月号『QCサークル』誌活用・普及貢献賞受賞組織の『QCサークル』誌活用法p.50,51
㈱神戸製鋼所 加古川製鉄所
<受賞ポイント>
・3年以上購読部数が増部
・部長級の管理職に『QCサークル』誌を教材にした教育や,所内全係に配付など,『QCサークル』誌をQCサークル活動の活性化,レベルアップに役立てている

QC 世話人会・QC 事務局のみなさん
■ 受賞組織紹介
当社では1964 年からQC サークル活動に取り組んでおり,現在約500 サークルが活動中です。『QC サークル』誌は過去3 年にわたり,購読部数の増部を行い,現在は,所内45 係+ 6 組に1 部が行き渡るようにしています。
雑誌の配付方法や配架場所について教えてください。
以前は『QC サークル』誌を,製鉄所内QC 世話人14 名のみに配付していましたが,所内現場の全係が閲覧するのに71 日間要していました。そこで,現場上長にあたる51 名へ配付することでタイムリーな情報発信を実現するために,増部しました。また,『QC サークル』誌をいつでも誰でも閲覧できるように,各現場にマガジンラックなどを設置しています。支援者がサークルに見てほしいページに付箋を貼りつけることで興味を引いたり,短い休憩時間でも要点を閲覧しやすくする工夫も行っています。
管理者・スタッフへはどのような情報発信をしているのでしょうか,また期待している役割を教えてください。
所内QC 審査会審査員を対象に,特集や他社の事例を用いてQC ストーリーの各ステップを正しく理解してもらう取組みを行うことで,採点のばらつきをなくし一貫性のある審査に役立てもらっています。また,管理者・スタッフにはQC サークル活動をより効果的に推進できる体制構築を期待しています。
QC 世話人会の世話人はどのような方々が担当されており,QC 世話人会を通じてサークルへはどのような情報を発信されているのか教えてください
製鉄所内各部の現場係長より代表として選任された14 名で,所内QC 世話人会を構成し,運営広報部会と評価研修部会に役割を分けて運営しています。世話人会メンバーには「QC サークル指導士」の資格を取得してもらうとともに,所内QC 活動方針や新たな取組みに関する情報,活動報告資料作成に関する注意点やアドバイス,所内QC 大会やQC サークル全国大会に関する情報や参加者の所感などを取りまとめ,所内機関誌の「かわらばん」を発行するなど,全サークルへ情報が行き渡るように工夫してもらっています。

『QC サークル』誌の配架例
『QC サークル』誌の活用の仕方について,具体例をいくつか教えてください。
加古川製鉄所は約500 サークルが活動しています。「連載講座」は市販や手元にあるQC 資料には掲載されていない説明があり,基本を深く理解するうえでも非常に役立ちます。また,「QC 検定道場」は,QC 検定3 級受検の試験勉強や本番直前の仕上げに使っています。
『QC サークル』誌への今後の要望を教えてください。
QC サークル全国大会に限らず,各社の発表大会での発表を含め,発表のスキルアップやテクニックなど,聴講者が聞きやすい発表についての特集を読んでみたいです。また,間接部門におけるQC サークル活動の紹介も希望します。現在の『QC サークル』誌は,サークルや一般を対象にした記事区分になっていますが,今後も読者や経験者に主眼を置いた『QC サークル』誌を目指してほしいです。「体験事例」では,もう少し“ 学びどころ” のコメント増量と,記事冒頭のサークル紹介に,活用したQC ストーリーの型の記載もあればよいと思います。
『QC サークル』誌を活用したいと考えている全国の仲間に助言をお願いします。
各現場で先人から受け継がれたQC スタイルがあると思いますが,いろいろな情報に触れて新しいものを取り入れ進化することで,新たな改善の機会が生まれます。QC サークル活動の活性化もはかれ,そこから人財育成につながると考えています。新たな情報を広く得ることができるツールとして『QC サークル』誌は有効だと実感しています。