『QCサークル』誌、こうして活用しています! 第7回 セントラルメンテナンス株式会社
このコーナーでは、『QCサークル』誌を多部数ご購入いただいている企業・組織の推進者のみなさまにインタビューして、『QCサークル』誌の効果的な活用方法や勉強方法などを紹介していただきます。みなさまの『QCサークル』誌活用のヒントにしていただければと思います。
第7回目の今回は、セントラルメンテナンス株式会社 人事部人事課 志水亮太課長代理と中島亜美主任にお話を伺いました。
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・貴社の創立は1998年ですが、QCサークル活動を導入されたのはいつ頃でしょうか。
当社は、1998年4月にJR東海の関連会社である名古屋整備株式会社と中部車両整備株式会社が合併して会社創立しましたが、創立以前から両社では既にQCサークル活動が行われており、 JR東海がQC活動をキックオフした直後の1989年頃には活動を導入していたと思われます。
人事部人事課の志水亮太課長代理と中島亜美主任
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・貴社はJR東海の車両や駅構内での清掃、整備業務を中心としたサービス業ですが、どのような目的、ねらいから活動を導入するようになったのでしょうか。
導入当時の記録が少ないので詳細はわかりませんが、「社員の安全意識の向上」、「業務改善」、「人材育成」を目的としたものであったようです。
セントラルメンテナンス株式会社となってからの1998年から2018年までは、自主活動として次の3項目を目的に活動を推進することになりました。
① 自己啓発・相互啓発による能力を向上
② 働きがいのある明るい職場づくり
③ 会社の体質改善・発展
そして2019年10月からは、更なる活動の充実をはかるため、これまでのグループ活動(サークル活動)を大切にする良い文化を継承しつつ、「“業務を通じて”創意工夫を形にしよう」ということで、「SK活動」をスタートさせました。以前は自主活動でしたが、いろいろと制約があったため、業務内に活動が行えるように規定等の見直しを行い、活動の活性化を図りました。
※SK=(S)創意工夫による(K)改善活動
「SK活動」の目的は、創意工夫により品質を改善させ、活気あふれる明るい職場を目指していくこととしました。
背景として、少子高齢化、人口減少等の社会構造の変化により、当社を取り巻く雇用環境は非常に厳しい状況にあることが挙げられます。
また、当社の事業環境を大きく変えるリニア中央新幹線名古屋開業を控える中で、仕事のやり方を抜本的に変える必要性に迫られており、「安全に仕事を進める能力」、「清掃技術力を向上させる能力」、「効率的に仕事をする能力」を高めていくことが必要不可欠となっています。自然と小集団改善活動(SK活動)にも充実した活動が求められるわけですが、自己の時間での活動には制約があるため、業務内の活動にすることで活性化を図りました。
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・現在、貴社で活動されているサークル数を教えてください。
2022年4月1日現在で、QCサークルは63グループ、563名が活動に参加しており、その内訳は、正社員351名、非正規社員212名(契約183名、パート29名)となっています。
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・2016年から現在まで『QCサークル』誌を続けて購読いただいておりますが、購読されるようになった動機は何ですか。
当社ではJR東海の主導のもとに小集団改善活動を推進していますが、JR東海で事務局経験のある、QCサークル上級指導士の金子利治様を2015年度からの当社全社大会にお招きしてご指導を賜っています。
ご臨席いただいた中で、『QCサークル』誌や全国大会等についても紹介していただいたことがきっかけで、購読するようになりました。
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・貴社のサークル活動における本誌の位置づけをお聞かせください。
掲載されている各社の活動状況を参考にしながら、当社でのレベルアップにつなげたいと考えています。レベルアップの対象は事務局、推進員(推進指導者、推進管理者、推進サポーター)、グループ等の活動に携わる全社員です。
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・現在、貴社では、雑誌がお手元に届いた後、どのような形で配付されていますか。
各事業所に一冊ずつ直接配達していただいています。
各事業所では活動ルーム、休憩所のQC活動コーナーなど、誰でも閲覧できる棚に設置し、メンバーが気軽に読めるようにしています。
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・サークルの方々は本誌をどのように活用されていますか。ユニークな活用の仕方をしているサークルや部署があれば、紹介してください。
『QCサークル』誌は、ていねいな解説や他社の体験事例を気軽に読むことができるため、積極的に読むことでQC活動の理解が深まると考えています。
活用法として、事業所では、
①リーダー、推進指導者、推進管理者、推進サポーターで事前に『QCサークル』誌の内容を
確認し、読んでほしいページには付箋を貼ったり、点呼等で周知(個人での勉強)する
といった使い方をしています。
グループの中には、上記①の付箋を貼ったページをメンバーに配付して、
②会合に持参し、参考となる記事を見ながら会合を進める
③発表用資料作成時に、他社事例の表やグラフのデザインなどを参考にする
といった活用をしているグループもあります。
以上①~③の活用法については、事業所任せの部分はありますが、メンバーが手にする勉強資料には『QCサークル』誌の内容が反映されており、当社のQCサークル活動を推進・活性化させるために欠かせないものとなっています。
事務局としては、当社のQCサークル活動のマニュアルを含めた社内教育資料作成時に、『QCサークル』誌の内容を参考にさせていただいております。
また、活動が停滞しているなと感じた時、他業種も含めて他社がどのように活動を盛り上げて推進しているのか、参考にしています。
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・サークルリーダー、メンバーの方々の、本誌に対する評価はいかがでしょうか。
事前に聞き取り調査を行ったところ、
・QC手法の解説がわかりやすい
・他社の活動を知ることができて参考になる
などの良い評価の意見がある一方、
・全体的に内容が少し難しい
・もう少し自社と似た業種(事務・販売・サービス)の事例が多く載っているとよい
・過去の記事をWebなどで気軽に読めるようにしてほしい
という声もありました。
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・特に活用、参考にしていただいている記事はどの記事でしょうか。
直近で参考にさせていただいたのは、昨年(2021年)12月号の特集「サークル評価のあれこれ」の中にあった、「テーマ完結時の自己診断チェックリスト例」です。
各グループが一年間の活動の振り返りを行う際に参考にさせていただきました。集合研修では、その結果からグループの課題の洗い出しの際に活用しました。
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・本誌をより有効に活用してもらうべく、事務局として何らかのしかけをしていますか。
現在はそのような取り組みは行っていませんが、現場からは注目ポイントなどを案内してもらえると特に注意して見るようになるという意見も挙がっているため、今後はそういった取り組みも検討していきたいと思っています。
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・事務局が主体となって、本誌を用いた勉強会のようなものを行っていますか。
改善活動の会社全体のレベルがなかなか上がらない中で、レベルの底上げをはかるため「SK推進サポーター」という活動を、今年1月から始めました。
「SK推進サポーター」のサポーター会合において、QCサークル活動とは何か、どのように進めていくのかを説明するための勉強会や、QC手法やQC七つ道具の使い方などを説明する際に『QCサークル』誌を参考にさせていただいています。
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・貴社では「SK活動」の全社大会を開催されていますが、年に何回ほど開催されていますか。また、その際の発表件数は何件くらいですか。
全社大会は毎年一回開催しています。発表件数は14件程度です。
当社には事業所が全18箇所あり、全社大会の前段として、大きい職場では職場大会を開催し、小さい職場では地区大会を開催して、全63グループの中から全社大会に出場する14グループを選考しています。
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・本誌、2018年9月号の「ザ・ショット(写真で綴るQCサークル紀行)」に、ささしま事業所「ひよっこサークル」が掲載されました。その記事において、今後はサークル活動を通して、一人ひとりの能力向上、人材育成重視の考え方も盛り込んでいき、それに合わせた個々のサークル、個人の能力評価の方も必要になってくるとありましたが、これについては、その後、如何でしょうか。
今までは活動を振り返り評価する機会がありませんでしたが、グループの一年間の活動を振り返って評価をする方法を導入しました。しかしながら、まだ個人の評価をする段階までは至っておりませんので、今後は個々の評価についても導入を検討していくべきだと考えています。
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・貴社の業態を考えますと、様々なご苦労があると思いますが、そのような中で、改善活動を継続し、かつ効果を上げるために工夫されていることをお聞かせください。また、そこに本誌が役に立っている、参考になっているのであれば、少し具体的にお聞かせください。
勤務形態が様々であるため、メンバー全員参加の会合が難しいという現状があります。会合に出席できないメンバーに対しては、必ず日科技連出版社で発行している「QCサークルノート」を使って確認をしてもらっています。
その他、掲示板で周知して事前に意見を聞いておくことや、メモしてもらうなど、欠席していても活動に参加しているという意識を持続させるよう工夫しています。
また、個人での意見出しに迷ったときに、『QCサークル』誌から、マニュアルには載っていない他社の事例などでヒントを得ているメンバーもいるようです。
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・本誌に対するご要望、取り上げて欲しいテーマ、期待することなどをお聞かせください。
製造業中心の内容が多いため、もう少し当社と似た事務・販売・サービスの業種の事例が多く載ると良いと感じています。また、過去の記事等がWebで気軽に読めるとありがたいです。特に検索機能などがあると助かります。
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・最後になりますが、コロナ禍により社会・経済が混迷していますが、ウィズコロナ、アフターコロナ時代に、サークル活動に期待することをお聞かせください。
コロナ禍により、今まで以上に経費削減や業務効率化が求められる中で、サークル活動を通じて会社全体の改善活動を活性化することで、どのような時代でも世の中の流れに遅れることなく、対応できる体力を持ち続けることができるような活動にしていきたいと考えています。
(まとめ 日科技連出版社 戸羽節文)
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【セントラルメンテナンス株式会社】
□所在地:愛知県名古屋市中村区椿町15番21号
□設 立:1964年4月1日
※名古屋整備㈱(1964年4月1日創立)、中部車両整備㈱(1967年3月1日創立)合併により1998年4月1日、セントラルメンテナンス株式会社創立
□資本金:1億円
□従業員:1,012名(2022年4月1日現在)
□事業内容:JR東海の新幹線・在来線の車両清掃及び車両外観の美しさを保つための整備、多くの人々が行き交う駅構内の清掃
□ホームページ:https://www.cm-c.jp/
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