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『QCサークル』誌活用法 2022年度『QCサークル』誌活用・普及貢献賞受賞組織 日立建機㈱ QCサークル指導士チーム 

2022年度『QCサークル』誌活用・普及貢献賞受賞組織に、本誌の活用法を伺います。

出典:『QCサークル』誌2023年10月号『QCサークル』誌活用・普及貢献賞受賞組織の『QCサークル』誌活用法p.56,57

日立建機㈱ QCサークル指導士チーム

<受賞ポイント>
・QCサークル指導士が1人1冊『QCサークル』誌を教科書として活用し,社内でのアドバイザーとしてのスキルを向上

QC サークル指導士チームのみなさん

 

■ 受賞組織紹介
 2020 年、部門内推進体制の変更を機に、「QC サークル指導士チーム」を結成しました。アドバイザーとしての活動機会が増えるとともに知識不足を実感し、これまで各課に1冊購入し回覧していた『QC サークル』誌を、QC サークル指導士1人に1冊配付するようにしました。教科書として月1回の勉強会に活用し、アドバイザーとしてのスキルを向上させています。

 

雑誌の配付方法や配架場所について、教えてください。
 事務局から各課の推進者に配付され、主任→組長へ回覧し、職場内での改善活動のコミュニケーションツールとして活用しています。主に改善組(各課にあり、生産職場の改善活動をサポートする専門の組)で保管しています。

 

QC サークル指導士の資格はどのような方々が取得しているのでしょうか。
 主に以下の2つです。
①各部門より改善活動に特化した「職場キーマン」が2 名選出され、QC サークル茨城地区の幹事として2 年間実務経験をした後に、QC サークル指導士の資格を取得する。
②社内選抜大会1 位のグループから1 名を選抜し褒賞として日科技連が主催の「QC サークル洋上大学(現QC サークル海外研修団)」に派遣し、研修期間内にQC サークル指導士の資格を取得する。

 

「連載講座」の演習問題は,QC サークル指導士以外の方々も取り組んでいますか。
 現在はQC サークル指導士以外への展開はありません。今後は過去の演習問題を参考に、オリジナルの「QC サークル理解度テスト」を作成して各サークルに実施してもらう予定です。テスト結果をもとに上位サークルを表彰し、可能であれば褒賞金を出すといったいろいろなしかけを考えています。

 

月1 回のアドバイザー勉強会において、『QC サークル』誌を教科書として活用されているそうですが、具体的なやり方や成果などを教えてください。
 アドバイザー勉強会では各自、1 記事を選び、1 名ずつ約3 分のプレゼンを行います。人に教えたり説明することで、学習の定着力が上がるという効果を期待したものです。プレゼンは事例から「よかった点」、「欲を言えばの点」、「自社で展開できそうな点」などをあげ、プレゼン終了後には、みんなで意見交換をしています。また、雑誌を熟読させる仕組みとして、各自が選ぶ記事を事前に決めず、誰がどの記事についてプレゼンするかは、自分の順番までわからないようにしています。同じ記事のプレゼンを禁止しているため、記事の読込みが足りないと、うまく説明できないので、すべての記事を熟読します。また、サークルQ&A や演習問題などをみんなで楽しく勉強しています。勉強会を始めて1 年後には、各指導士のアドバイスにばらつきがなくなり、発表会などでは本質に迫った講評やコメントができるようになっていて驚きました。

 

『QC サークル』誌への今後の要望を教えてください。
 多くの方が、改善活動よりも報告書(パワーポイント作成)に苦労しているかと思います。QC ストーリーを活用した、参考となる報告書の作成事例も紹介していただけると参考になります。また、会合の工夫(ファシリテーション)や、個人のレベルアップ(コーチング)など、職場で展開するための具体的な方法について記事にしていただけるとうれしいです。

 

『QC サークル』誌を活用したいと考えている全国の仲間に助言をお願いします。
 私は自部門のQC サークル活動を活性化しようと、たくさんの本や資料,ネットを視聴しました。しかし、日々進化しているQC サークル活動の今を確実にとらえている本はそうありません。『QC サークル』誌は月刊誌ゆえの新鮮な情報があり、新人にも大先輩にも新しい発見があります。みんなが仲良くQC サークル活動をし、継続的なレベルアップをしていくためには、『QC サークル』誌を、毎月しっかり読み込んでいくことだと思います。ぜひ、ご活用してください。