『QCサークル』誌活用法 2023年度『QCサークル』誌活用・普及貢献賞受賞組織 キムラユニティー㈱
2023年度『QCサークル』誌活用・普及貢献賞受賞組織に、本誌の活用法を伺います。
出典:『QCサークル』誌2024年7月号『QCサークル』誌活用・普及貢献賞受賞組織の『QCサークル』誌活用法p.54,55
キムラユニティー㈱
<受賞ポイント>
・2サークルに1部という非常に高い購読率
・事務局の指導によりサークルが『QCサークル』誌活用を習慣化している
■ 受賞組織紹介
『QC サークル』誌は2003 年から購読を開始し,初年度は26 部でしたが翌年から75 部と増部。以降約20 年間,平均購読部数は84 部です。サークル数は平均160 サークルで,2 サークル
に1 部の購読です。『QC サークル』誌活用の一例としては,経験の浅いサークルには『QC サークル』誌の連載講座を参考に指導しているほか,『QCサークル』誌を活用して研修会なども
開催し,サークルの現場力向上に活用しています。
雑誌の配付方法や配架場所について教えてください。
『QC サークル』誌は全社事務局から課長へ配付し,各QCサークルへ展開しています。配架場所については,各課長に任せています。主な例としてQC サークルメンバーに回覧し,回覧後は食堂や休憩コーナーの本棚に置いて,メンバーがいつでも手に取って見られるようにしています。
『QC サークル』誌の購読を始めたきっかけを教えてください。
当社は,社長がある会合で受けたTQC の説明「TQC は,お客様に満足していただくため,会社のすべての部門で全社員の仕事の質を高めていくことをいう」に直感を得て導入を決意し,1982 年にQC サークル活動をスタートしました。自主的な職場活動として自己啓発・相互啓発を行っていましたが,全員参加での活動や改善の進め方やQC 手法の学習教材として,また,成功事例に学ぶという観点から,2003 年より『QC サークル』誌の購読を開始しました。
『QC サークル』誌の連載講座を活用した勉強会を実施されているようですが,勉強会の運営法などサークルでの工夫点を教えてください。
職場の監督者でサークルリーダーやテーマリーダーを歴任したアドバイザーが講師となり,「連載講座」を活用して勉強会を行っています。2023 年7 ~ 12 月号連載講座「新QC 七つ道具を学ぶ」では,紹介された手法を使って作図し,演習問題で理解度を確認し,理解度の低いメンバーへは個別フォローをしています。全員が参加できるようウェブ会議システムも活用しています。また,学んだ手法を活用して職場の改善を行い,職場の改善活動報告会にて改善内容の共有をはかっています。
社内教育の参加者に対して本誌活用の指導をしているそうですが,具体的にどのような内容で行っているのかお聞かせください。
QC サークルの社内教育はステップに応じて,新入社員研修・初級研修・上級研修を行っています。それぞれの研修の中で『QC サークル』誌の体験事例を紹介し,職場でQC サークル活動を行う際や発表資料をまとめる際に活用してもらうように指導しています。
本誌の記事や事例はメーカーのものが多くなりがちですが,御社の事業内容を考えた時,サークルの方はメーカーの記事をどのように消化して活用しているのでしょうか。また,事務局として活用のヒントを与えているのでしょうか。
業種は違っても,QC ストーリーやQC 七つ道具の使い方・作り方は参考になります。たとえば2023 年6 月号特集「事務系改善で使える改善手法のアレコレ」など,業種にかかわらず参考になる記事が多くあります。事務局では,問合せがあった際に“ ○月号のQC 七つ道具が参考になる” などと紹介しています。2023 年8 月号『QC サークル』誌活用・普及貢献賞受賞組織の『QC サークル』誌活用法で紹介されていたアイシン機工㈱の雑誌の使い方では,特に「見どころ」をつけてQCC 世話人に配付しているしかけを当社でも参考にし,各課長へ発信する準備を進めています。
『QC サークル』誌への今後の要望を教えてください。
発表資料をQC ストーリーに沿ってまとめる時,他社の体験事例はわかりやすく簡潔にまとめられているため,とても参考になります。製造現場だけでなく多種多様な職場の体験事例を紹介してほしいです。
『QC サークル』誌を活用したいと考えている全国の仲間に助言をお願いします。
専門誌ですので最初は身構えてしまうかもしれませんが,まずは読み物として読んでみて,興味を持った記事からQC サークル活動に結びつけていってください。QC サークル活動でつまずいた時に『QC サークル』誌を読み返すと,ヒントが見つかりますので,ぜひ継続して活用することをおすすめします。